教科書には載っていないけれど、ネイティブの会話で頻繁に耳にする英語スラングに出会うことがありますね。
今回ご紹介するのは、そんな英語スラングの一つ「buck」です。
動物の「鹿」を連想するかもしれませんが、スラングとしての意味は全く異なります。
この記事では「buck」という英語スラングが持つ本来の意味とその正しい読み方、そして具体的な使い方をわかりやすく解説します。
例文を交えながら、どのようなシチュエーションで使われるのかを深く掘り下げていきますので、この言葉のニュアンスをしっかりと感じ取っていただけるはずです。
英語スラング「buck」の基本的な意味と読み方
英語スラング「buck」は、「バック」と読みます。
この言葉は、様々な状況で使われることがありますが、最も一般的な意味は「ドル」(アメリカやカナダなどの通貨単位)を指す俗語です。
例えば、「Five bucks」と言えば「5ドル」を意味します。
これは非常にカジュアルな表現で、日常生活で頻繁に使われます。
他にも、「責任」や「反対する」といった動詞としての意味もありますが、スラングとして「ドル」を指す用法が最も広く知られています。
「buck」の具体的な使い方と例文
「buck」は、主に「ドル」という通貨単位を指す際に使われます。
ここでは、具体的な例文を3つご紹介します。
①お店で商品の値段を尋ねる時
A:「How much is this T-shirt?」(このTシャツはいくらですか?)
B:「It’s twenty bucks.”」(20ドルです。)
このように、値段を伝える際に「ドル」の代わりに使われます。
②友人との会話で、少額のお金を貸し借りする時
「Can I borrow a few bucks? I forgot my wallet.」(数ドル貸してくれる?財布を忘れちゃったんだ。)
この場合、「a few bucks」で「数ドル」という意味になります。
③友達と映画を観に行く計画を立てている時
「The movie ticket costs twelve bucks per person.」(映画のチケットは一人12ドルかかるよ。)
このように、金銭のやり取りに関するカジュアルな会話で使われることが多いです。
「buck」の起源はなに?
「buck」が「ドル」を意味するようになった起源については、いくつかの説があります。最も有力な説は、18世紀のアメリカ開拓時代にまで遡ります。当時、鹿の皮(buckskin)は価値のあるものとされ、物々交換の際に通貨の代わりとして使われていたため、そこから「buck」が金銭の単位を表す言葉として定着したと言われています。
また、ポーカーなどのカードゲームで、ディーラー(カードを配る人)の順番を示すために使われた「バックナイフ」(buck knife)や「バックホーン」(buckhorn)に由来するという説もあります。これらの「buck」は、ゲームの賭け金と関連付けられていた可能性が指摘されています。
いずれの説にしても、時代とともに言葉が変化し、現在ではアメリカ英語を中心に広く使われるスラングとして定着しました。
「buck」の言い換え表現
「buck」はカジュアルな表現なので、フォーマルな場面やビジネスシーンで使うのは適切ではありません。
また、文脈によっては他の意味に誤解される可能性もあります。
ここでは、「buck」の代わりに使える、より一般的で適切な表現や、ニュアンスの近い言葉をいくつかご紹介します。
「ドル」を意味する場合:
- dollar(s)(ダラーズ)
- currency(カレンシー) (通貨一般)
「責任」や「反対する」といった動詞の「buck」の言い換え(スラングではない):
- to resist(レジスト) (抵抗する)
- to oppose(オポーズ) (反対する)
- to take responsibility(テイク レスポンシビリティ) (責任を負う)
- to pass the buck(パス ザ バック) (責任を転嫁する、これはフレーズですが「buck」が入っています)
これらの言葉を使い分けることで、より多くの人に正確に状況を伝えたり、誤解を招かないようにコミュニケーションを取ったりすることができます。
「buck」を使いたいけれど、より丁寧な言葉や、より一般的な表現を選びたいときに、ぜひ役立ててみてください。



